※本記事は武蔵野銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社武蔵野銀行(証券コード8336)の2026年3月期(通期実績)は、連結経常収益1,056億円(前年比+215億円)、連結経常利益228億円(同+47億円)、親会社株主に帰属する当期純利益154億円(同+22億円)となった。資料は「預貸ボリュームの着実な拡大と金利更改に伴う金利上昇により資金利益が伸長」「法人・個人へのコンサルティングへの注力により役務取引等利益も高水準を維持」とし、当期純利益は5年連続増益で2015年3月期以来の最高益を更新したとしている。あわせて、2026年4月から2030年3月までの4年間を計画期間とする中期経営計画「MCP 2/3」を開始した。
業績(2026年3月期 実績)
単体では、経常収益923億円、経常利益216億円(前年比+45億円)、当期純利益148億円(同+20億円)となり、当期純利益は7年連続増益で過去最高益を2年連続で更新した。連結と単体の比較では、経常収益は連単差額132億円(連単倍率114.3%)、経常利益は同11億円(105.5%)、(親会社株主に帰属する)当期純利益は同5億円(103.7%)となっている。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 経常収益(連結) | 1,056億円 | 840億円 | +215億円 |
| 経常利益(連結) | 228億円 | 181億円 | +47億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(連結) | 154億円 | 131億円 | +22億円 |
単体の収益状況では、資金利益は貸出金利息の伸長により前年比+65億円の524億円(6年連続の増益)、役務取引等利益は法人関連の増加により同+7億円の113億円(過去最高益)となった。経費は371億円(同+18億円)で、人的資本およびデジタルへの戦略投資を行いながらもメリハリあるコスト管理を徹底したとしている。この結果、コア業務純益は前年比+74億円の247億円となった。与信関係費用は、一般貸倒引当金を予防的に積み増したことから前年比+24億円の39億円、株式関係損益は政策保有株式の縮減により前年比+58億円の71億円となった。
| 項目 | 当期(2026年3月期実績・単体) | 前年比 |
|---|---|---|
| 業務粗利益 | 545億円 | +34億円 |
| 資金利益 | 524億円 | +65億円 |
| 役務取引等利益 | 113億円 | +7億円 |
| その他業務利益 | △92億円 | △38億円 |
| 経費 | 371億円 | +18億円 |
| うち人件費 | 178億円 | +9億円 |
| うち物件費 | 167億円 | +8億円 |
| コア業務純益 | 247億円 | +74億円 |
| 実質業務純益 | 173億円 | +15億円 |
| 与信関係費用(△) | 39億円 | +24億円 |
| 株式関係損益 | 71億円 | +58億円 |
| 経常利益 | 216億円 | +45億円 |
| 当期純利益 | 148億円 | +20億円 |

貸出金・預金等の状況
貸出金残高は、事業性・非事業性ともに伸長し、前年比+1,949億円(年率4.7%)増加の4兆3,213億円となった。内訳は事業性貸出23,884億円、非事業性貸出16,946億円、地公体等2,182億円。預金等残高は個人・法人ともに増勢を堅持し前年比+1,113億円(年率2.1%)増加の5兆2,049億円、預り資産残高は前年比+1,212億円(年率16.8%)増加の8,432億円となった。不良債権比率は1.5%で前期から横ばいとなり、資料は「不良債権残高は減少を継続、不良債権比率も低位で推移しており、貸出の健全性は十分保たれている」としている。信用コスト率は9.5ベーシスポイントで「なお低位であり、急増の兆候はない」としている。自己資本比率(連結、バーゼルIII最終化基準)は13.41%で、適正水準の目安を10.5%程度としている。政策保有株式は2026年3月期に18銘柄を縮減し、連結純資産に対する時価の割合は17.0%(目標は15%未満)となった。

2027年3月期の業績予想
2027年3月期は、単体で資金利益582億円(前年比+58億円)、役務取引等利益115億円(同+2億円)、経費397億円(同+26億円)、コア業務純益283億円(同+36億円)、経常利益276億円(同+60億円、7年連続増益)、当期純利益190億円(同+42億円、8年連続増益・最高益更新)を見込む。連結では経常利益287億円(同+59億円)、親会社株主に帰属する当期純利益195億円(同+41億円)を予想している。ボリューム面では、貸出金残高44,585億円(年間+1,372億円、年率3.1%)、預金等残高53,035億円(同+986億円、年率1.8%)、預り資産残高9,019億円(同+587億円、年率7.0%)を見込む。予想は政策金利0.75%を前提とし、更なる引上げ効果は織り込んでいないとしている。
| 項目 | 予想(2027年3月期) | 前年比 |
|---|---|---|
| 業務粗利益(単体) | 654億円 | +109億円 |
| 資金利益(単体) | 582億円 | +58億円 |
| 役務取引等利益(単体) | 115億円 | +2億円 |
| 経費(単体) | 397億円 | +26億円 |
| コア業務純益(単体) | 283億円 | +36億円 |
| 経常利益(単体) | 276億円 | +60億円 |
| 当期純利益(単体) | 190億円 | +42億円 |
| 経常利益(連結) | 287億円 | +59億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(連結) | 195億円 | +41億円 |

株主還元
累進的配当方針のもと6年連続の増配を計画しており、2027年3月期の年間配当金は82円を計画(前年比45%の増配)、配当性向は40.0%を見込む。2026年3月期の実績は年間配当56.66円(中間26.66円、期末30円、配当性向36.4%)だった。資料の注記によれば、比較のため2026年3月期以前の配当金は分割考慮後の金額に換算して表示している。あわせて、総額100億円を上限とする自己株式取得を2026年3月から12月にかけて実施し、今後もキャピタルアロケーションに基づき機動的な取得を行うとしている。株主基盤拡充への取組みとして、株式3分割に続き株主優待制度を導入した。
| 項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|---|---|
| 中間配当金(円) | 15.00 | 16.66 | 20.00 | 26.66 | 41.00 |
| 期末配当金(円) | 16.66 | 18.33 | 21.66 | 30.00 | 41.00 |
| 年間配当金(円) | 31.66 | 35.00 | 41.66 | 56.66 | 82.00 |
| 配当性向(%) | 29.2 | 30.9 | 31.4 | 36.4 | 40.0 |

中期経営計画「MCP 2/3」
2026年4月から2030年3月までの4年間を計画期間とする中期経営計画「MCP 2/3」では、基本戦略Ⅰ「価値共創コンサルティングへの深化」、基本戦略Ⅱ「埼玉の新たな価値創出への貢献」、基本戦略Ⅲ「未来を支える経営基盤の強化」を掲げ、計画終了時点(4年後)の経営目標としてROE(連結)10%以上、親会社株主に帰属する当期純利益300億円以上、コア業務純益400億円以上、コアOHR(単体)55%以下を設定している。前中期経営計画「MCP 1/3」(2023年3月期~2026年3月期)については、資料は「経営指標の全項目で目標を上回る実績」としており、コア業務純益は152億円から247億円(目標200億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は108億円から154億円(目標130億円)、ROE(連結)は3.60%から5.62%(目標4.5%)、コアOHR(連結)は70.29%から61.36%(目標65%)となった。2026年3月期のROEは5.62%、2027年3月期は7%到達を見込むとしている。EPSは155.41円(2026年3月期)、204.63円(2027年3月期見込)、PERは13.4倍(2026年3月期)。PBRは2026年3月期末0.73倍で、資料作成時点の足元では約0.9倍としており、1倍以上の早期実現を目指すとしている。
※本記事は武蔵野銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。