※本記事は日本タングステンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本タングステンは2026年3月期(2025年度、2026年5月14日発表)決算を発表した。連結売上高は127億7,600万円(前年度比3.1%増)、営業利益は7億1,300万円(同3.5%増)、経常利益は11億3,300万円(同18.9%増)と増収増益となった一方、機械部品事業の産業用機器・部品市場における収益性の低下に伴う固定資産の減損損失7億9,700万円を特別損失として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は2億7,000万円(同60.0%減)となった。連結業績、個別業績ともに増収減益で、2期連続の増収・2期ぶりの減益。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、機械部品事業で二軸混練押出機用の金属部品が中国向け需要の一服等により減収となったものの、電機部品事業で医療関連部材のカテーテル用タングステンワイヤー製品や半導体製造装置用の給電端子部品の需要拡大により増収となった。営業利益は原材料価格高騰の影響があったものの、注力商品の販売好調や価格転嫁の進展、子会社業績の堅調により増益。経常利益はスクラップ売却益、持分法による投資利益および為替差益の計上により増益となった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は上記の減損損失計上により減益となった。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 12,776百万円 | 12,392百万円 | 383百万円 | 3.1% |
| 営業利益 | 713百万円 | 689百万円 | 24百万円 | 3.5% |
| 経常利益 | 1,133百万円 | 952百万円 | 180百万円 | 18.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 270百万円 | 676百万円 | △406百万円 | △60.0% |
セグメント別の状況
機械部品事業は、ハードディスクドライブ(HDD)用磁気ヘッド基板やNTダイカッターの需要は堅調だったものの、二軸混練押出機用の金属部品で中国向けのまとまった需要が一服したこと等により減収・減益。電機部品事業は、カテーテル用タングステンワイヤー製品や抵抗溶接用電極が堅調に推移したほか、半導体製造装置向け給電端子部品の需要が大幅に拡大したこと等により増収・増益となった。
| 区分 | 指標 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) |
|---|---|---|---|
| 機械部品事業 | 売上高 | 6,854百万円 | 7,146百万円 |
| 機械部品事業 | 営業利益 | 662百万円 | 885百万円 |
| 電機部品事業 | 売上高 | 5,939百万円 | 5,271百万円 |
| 電機部品事業 | 営業利益 | 659百万円 | 398百万円 |
| 調整額 | 売上高 | △17百万円 | △25百万円 |
| 調整額 | 営業利益 | △608百万円 | △594百万円 |
| 全社 | 売上高 | 12,776百万円 | 12,392百万円 |
| 全社 | 営業利益 | 713百万円 | 689百万円 |


通期業績予想
2027年3月期は連結・個別ともに増収増益を見込む。3期連続の増収、2期ぶりの増益予想。中国の輸出規制の強化等を背景にタングステンをはじめとする原材料価格が高止まりする中、販売価格への転嫁を進め収益確保に努めるとしている。なお、米国を含む各国の通商政策の動向や中東情勢の緊迫化等が事業に与える影響は現時点で合理的に見積もることが困難であるため、次期の業績予想には織り込んでいない。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 15,000百万円(前年度比17.4%増) | 12,776百万円 |
| 営業利益 | 730百万円(同2.3%増) | 713百万円 |
| 経常利益 | 1,010百万円(同△10.9%) | 1,133百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 720百万円(同165.4%増) | 270百万円 |
| 1株当たり当期純利益 | 148.24円 | 55.76円 |

株主還元
剰余金の配当は、新製品開発を推進するための設備・人財・研究などへの戦略的投資や中長期的な財務体質強化等を総合的に勘案しつつ実施する方針。2026年3月期の配当は中間25.00円、期末25.00円の年間50.00円(配当性向89.7%)。2026年5月14日開催の取締役会において配当方針の一部変更を決定し、第116期(2027年3月期)の配当より、年間の1株当たり配当額60円を下限として親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目安とする方針に変更する。2027年3月期の配当予想は年間60円(中間配当30円、期末配当30円)、配当性向40.5%。
| 区分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 中間配当金 | 25.00円 | 25.00円 | 30円 |
| 期末配当金 | 25.00円 | 25.00円 | 30円 |
| 配当性向(連結) | 35.8% | 89.7% | 40.5% |

日本タングステングループ2028中期経営計画
原材料の調達難や価格高騰、人件費の上昇等により事業環境が厳しさを増す中、2026年度から2028年度までの3か年を対象とする「日本タングステングループ2028中期経営計画」を策定した。目指すべき姿として「ビジョン2028」を設定し、「希少資源を通じた価値最大化」「働きがいと創造力のスパイラルアップ」の2つの重点戦略を含む5つの全社戦略により活動する。KGIとして、2028年度に営業利益7億円以上・ROE5%以上、創立100周年を迎える2031年には営業利益20億円以上・ROE10%以上を掲げている。財務戦略・資本戦略として、配当性向の向上および配当金の下限額の引き上げを通じた株主価値の向上を図るとしている。
※本記事は日本タングステンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。