※本記事はイリソ電子工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
イリソ電子工業株式会社は2025年5月7日、2024年度(2025年3月期)の決算説明資料を発表した。売上高は563億円(前期比+1.9%)で過去最高を更新した一方、営業利益は53億円(同▲10.6%)にとどまり、営業利益率は9.4%だった。構造改革に伴い19.9億円を特別損失として計上した結果、当期純利益は26億6200万円(同▲52.4%)となった。株主還元では58億円(209万株)の自己株式取得を実施した。
連結業績(2025年3月期 実績)
2025年3月期の連結業績は、売上高563億3200万円(前期比+1.9%)、営業利益53億700万円(同▲10.6%)、税引前利益32億1700万円(同▲53.2%)、当期純利益26億6200万円(同▲52.4%)となった。モビリティ市場ではパワートレイン分野が中国地域のEV販売好調により伸長し、インフォテインメント分野は高速伝送対応可動BtoBコネクタが前年比約300%増加した。一方で原材料・人件費・輸送費等の高騰や新ERP・秋田工場立ち上げ費用の増加が利益を押し下げたが、原価低減の推進により減益幅を抑制した(単位:百万円)。
| 項目 | 2025年3月期 | 2024年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 56,332 | 55,271 | +1,061(+1.9%) |
| 営業利益 | 5,307 | 5,936 | ▲629(▲10.6%) |
| 税引前利益 | 3,217 | 6,869 | ▲3,652(▲53.2%) |
| 当期純利益 | 2,662 | 5,593 | ▲2,930(▲52.4%) |
| EPS | 118.25円 | 237.75円 | – |
市場別の状況
市場別売上高は、モビリティが485億4800万円(構成比86.2%、前期比+1.5%)で全体の大宗を占めた。中国地域でのEV販売好調によりパワートレイン分野が伸長し、高速伝送対応可動BtoBコネクタの増加によりインフォテインメント分野も拡大した一方、レーダー向けの減少によりセンサー分野は減収だった。コンシューマーは46億2300万円(同+6.6%)、インダストリアルは31億6000万円(同+1.6%)だった(単位:百万円)。
| 市場 | 2025年3月期 | 構成比 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| モビリティ | 48,548 | 86.2% | +1.5% |
| コンシューマー | 4,623 | 8.2% | +6.6% |
| インダストリアル | 3,160 | 5.6% | +1.6% |
| 合計 | 56,332 | 100.0% | +1.9% |

通期業績予想
2026年3月期の業績予想は、売上高550億円(前期比▲2.4%、為替影響除きでは+1.6%)、営業利益55億円(同+3.6%)、営業利益率10.0%とした。秋田工場の稼働開始に伴う固定費増加や原材料・人件費高騰の影響を、構造改革効果(約8.1億円を見込み、2026年度以降は8.9億円を予定)と原価低減の推進により吸収し増益を計画する。税引前利益は52億円(同+61.6%)、当期純利益は39億円(同+46.5%)を見込む。なお、アメリカの関税政策によるリスク(北米での自動車販売台数減少で約10億円、グローバルでの自動車販売台数減少で約25億円の売上減リスク)は本予想には未反映としている(単位:百万円)。
| 項目 | 2026年3月期(予想) | 2025年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 55,000 | 56,332 | ▲1,332(▲2.4%) |
| 営業利益 | 5,500 | 5,307 | +192(+3.6%) |
| 営業利益率 | 10.0% | 9.4% | +0.6pts |
| 税引前利益 | 5,200 | 3,217 | +1,982(+61.6%) |
| 当期純利益 | 3,900 | 2,662 | +1,237(+46.5%) |
| EPS | 188.65円 | 118.25円 | – |

株主還元
配当は1株110円を予定し、2025年3月期実績の100円から10円増配する計画である。2026年度目標である配当性向40%超またはDOE5%の実現に向けた増配としている。自己株式の取得についても機動的に実施する方針で、2025年3月期には58億円(209万株)の自己株式取得を実施した。
| 項目 | 2026年3月期(予想) | 2025年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 配当 | 110円 | 100円 | +10円 |
中期経営計画・トピックス
中期経営計画の進捗としては、2025年3月期の営業キャッシュフローマージン率は21.4%となり20%超を維持し、成長投資は57億円を実施した。構造改革では茨城工場の機能見直しと量産製品の秋田工場への移管を進めており、対象資産を精査した結果、年間効果額は当初見込みの約2.6億円から約5.8億円に増加する見通しとなった。トピックスとしては、2025年4月1日に秋田工場(グローバルで6拠点目、日本で2拠点目の生産拠点)が稼働を開始したほか、ケル株式会社と車載用小型同軸コネクタの共同開発を進めており、センサー分野の売上拡大を狙うとしている。


※本記事はイリソ電子工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。