※本記事はタダノが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
タダノは2026年2月26日、2025年12月期(1-12月)の決算説明会を開催した。25年度の連結売上高は349,477百万円(前期比+19.9%)で過去最高を更新し、中期経営計画(24-26)の売上高目標330,000百万円を達成した。一方、営業利益は18,552百万円(営業利益率5.3%)で、買収関連費用等の一過性要因により前期の23,778百万円から減益となった。26年度は売上高400,000百万円、営業利益25,000百万円を予想し、欧州事業の収益改善や買収で得た新製品の成長加速により増収増益を目指す。
連結業績(25年度実績)
25年度の連結業績は、売上高349,477百万円(前期比+19.9%)、営業利益18,552百万円(営業利益率5.3%)、EBITDA28,513百万円。ROICは4.2%、ROEは9.3%。設備投資は10,310百万円、M&A投資は32,017百万円(Manitex社/TIS。TISの25年度は株式譲渡契約に基づく価格調整が未完了のため暫定値15,308百万円を含む)。連結配当性向は30.4%。
| 項目 | 24年度実績 | 25年度実績 | 26年度予想 | 中期経営計画目標(24-26年度) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 291,500 | 349,477 | 400,000 | 330,000 |
| 売上高前年比 | +4.0% | +19.9% | +14.5% | – |
| 営業利益(百万円) | 23,778 | 18,552 | 25,000 | 30,000 |
| 営業利益率 | 8.2% | 5.3% | 6.3% | 9.1% |
| EBITDA(百万円) | 30,675 | 28,513 | 35,000 | 開示なし |
| ROIC | 5.0% | 4.2% | 4.9% | 8.0% |
| ROE | 3.6% | 9.3% | 6.7% | 9.5% |
| 設備投資(百万円) | 7,720 | 10,310 | 13,500 | 前向き投資30,000 |
| 連結配当性向 | 44.0% | 30.4% | 30.7% | 30.0% |
| 想定為替レート(USD) | 151.6円 | 149.7円 | 152.0円 | – |
| 想定為替レート(EUR) | 164.0円 | 169.0円 | 180.0円 | – |

セグメント別(グループ会社別)の状況
25年度の増収は、為替△900百万円、物量△7,600百万円に対し、売価改善+8,400百万円、モデルミックス他+8,280百万円に加え、2025年1月に買収したManitex社の連結寄与+33,400百万円、2025年7月に買収したタダノインフラソリューションズ(TIS)の連結寄与+16,397百万円が牽引した。営業利益は、為替△800百万円、関税△2,600百万円、物量△500百万円、費用△3,500百万円等のマイナス要因に対し、売価改善+5,000百万円、他+1,874百万円、新規連結+200百万円があったが、買収関連費用等の一過性要因△4,900百万円が重石となり、24年度の23,778百万円から18,552百万円へ減益となった。Manitex社は2025年1月の買収完了後に組織統合を完了し、タダノ(日本)との協働購買・開発による原価低減を推進中。TISはバルクハンドリングシステムのメンテナンス収益をベースに事業展開し、タダノとの技術融合による新製品開発を推進している。2024年2月に買収したタダノユーティリティ(TUL)は、造船現場向け新モデル投入や生産能力増強(八幡工場新設、2026年6月稼働を目指す)を進めている。
| 要因 | 24年度→25年度 影響額(百万円) |
|---|---|
| 24年度実績(基準) | 291,500 |
| 為替 | △900 |
| 物量 | △7,600 |
| 売価 | 8,400 |
| モデルミックス他 | 8,280 |
| Manitex(連結) | 33,400 |
| TIS(連結) | 16,397 |
| 25年度実績 | 349,477 |
| 要因 | 24年度→25年度 影響額(百万円) |
|---|---|
| 24年度実績(基準) | 23,778 |
| 為替 | △800 |
| 関税 | △2,600 |
| 物量 | △500 |
| 売価 | 5,000 |
| 費用 | △3,500 |
| 他 | 1,874 |
| 新規連結 | 200 |
| 一過性要因 | △4,900 |
| 25年度実績 | 18,552 |

通期業績予想
26年度は、連結売上高400,000百万円(前期比+14.5%)、営業利益25,000百万円(営業利益率6.3%)、EBITDA35,000百万円を予想。ROICは4.9%、ROEは6.7%。想定為替レートはUSD152.0円、EUR180.0円。営業利益は、一過性要因の解消(+4,900百万円)や物量増加(+5,500百万円)、売価改善(+3,300百万円)により増益を見込むが、関税影響△2,800百万円や費用増加△4,800百万円、他△1,352百万円がマイナス要因となる。需要動向については、日本は公共工事が堅調に推移する見通しである一方、海外は中国国内需要が下げ止まり、欧州需要の回復にはもう少し時間を要するとしている。米国関税については相互関税と通商拡大法の課税が続くとみて価格転嫁を継続する方針。
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 400,000百万円 | 349,477百万円 |
| 営業利益 | 25,000百万円 | 18,552百万円 |
| 営業利益率 | 6.3% | 5.3% |
| EBITDA | 35,000百万円 | 28,513百万円 |
| ROIC | 4.9% | 4.2% |
| ROE | 6.7% | 9.3% |
| 設備投資 | 13,500百万円(前向き投資30,000百万円含む) | 10,310百万円 |
| 連結配当性向 | 30.7% | 30.4% |
株主還元
資本配分については、営業キャッシュフローに加えて財務キャッシュフローも活用し、M&A等の成長投資と安定的な株主還元を両立する方針を継続する。株主還元は100~140億円規模を計画し、配当性向は30%を目安とする。25年度の連結配当性向は30.4%、26年度予想は30.7%(中期経営計画目標30.0%)。運転資本は600~700億円を十分に確保しながら、有利子負債の期日返済(350億円)や米国関税影響への備え(300億円)にも対応する方針。

中期経営計画/トピック:欧州事業の再建
タダノは2019年のDemag事業買収以降、欧州事業(AT・CC)の再建に取り組んできた。2025年6月にはTDG・Wallerscheid工場の閉鎖・売却を完遂し、TDG・Dinglerstraße工場とTFG・Lauf工場への生産移管を実施。新経営体制のもと、生産効率化・在庫適正化、原価低減(購買・設計見直し)、販売戦略強化と欧州営業チームの活性化による構造改革を加速している。2026年度中に欧州セグメントのキャッシュフロー黒字化の実現を目指すロードマップを掲げ、27年度に欧州セグメントの営業利益黒字化、28~29年度には成長フェーズ(新モデル開発・上市)への移行を目指す方針である。なお、2025年6月にグループ間取引条件の適正化を実施しており、これにより欧州セグメント利益は増額となっている。

※本記事はタダノが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。