※本記事は東洋製罐グループホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東洋製罐グループホールディングスは2026年5月20日、2026年3月期(2025年度)の決算を発表した。包装容器事業における価格改定の実施や北米エンジニアリング事業の業績回復などにより増収増益となり、売上高は9,632億円、営業利益は520億円となった。政策保有株式の売却により特別利益179億円を計上したこともあり、ROEは8.1%に上昇した。中期経営計画2025で掲げた売上高・営業利益の目標を達成し、ROEも特別利益の影響を除いた場合で2026年3月期の目標を達成した。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の売上高は9,632億円(前期比406億円、4.4%増)、営業利益は520億円(同177億円、51.8%増)となり、営業利益率は5.4%(前期3.7%)に改善した。経常利益は582億円(同210億円、56.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は549億円(同324億円、144.5%増)、EBITDAは1,063億円(同160億円、17.8%増)だった。ROEは8.1%(前期3.4%)に上昇し、特別利益の影響を除いたROEは5.9%だった。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(前期実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,632億円 | 9,225億円 | +406億円(4.4%増) |
| 営業利益 | 520億円 | 342億円 | +177億円(51.8%増) |
| 営業利益率 | 5.4% | 3.7% | – |
| 経常利益 | 582億円 | 371億円 | +210億円(56.7%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 549億円 | 224億円 | +324億円(144.5%増) |
| EBITDA | 1,063億円 | 902億円 | +160億円(17.8%増) |
| ROE | 8.1% | 3.4% | – |
セグメント別の状況(2026年3月期 実績)
国内では包装容器事業の販売数量が減少したものの価格改定の実施などにより売上高は前期並みとなった。海外ではアジアでPREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.(PCG社)を通期で連結したこと、米国・その他では厳しい市場環境が続く北米エンジニアリング事業で新規顧客への販売が増加したことにより、いずれも増収となった。営業利益は、国内で人件費などの固定費が増加したものの価格改定の実施や前期に計上した特殊要因の反動により増益、海外ではPCG社の通期連結や北米エンジニアリング事業の赤字幅縮小により増益となった。
| セグメント | 売上高2026年3月期 | 売上高2025年3月期 | 営業利益2026年3月期 | 営業利益2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 包装容器事業 | 6,022億円 | 6,024億円 | 267億円 | 270億円 |
| エンジニアリング・充填・物流事業 | 1,793億円 | 1,464億円 | 32億円 | ▲96億円 |
| 鋼板関連事業 | 914億円 | 899億円 | 98億円 | 76億円 |
| 機能材料関連事業 | 577億円 | 518億円 | 68億円 | 60億円 |
| 不動産関連事業 | 83億円 | 80億円 | 50億円 | 45億円 |
| その他 | 239億円 | 237億円 | 21億円 | 15億円 |
| 合計 | 9,632億円 | 9,225億円 | 520億円 | 342億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、原材料・エネルギー価格の上昇に伴う価格改定により増収を見込むが、価格改定が期中に全額完了しない前提のため減益を見込む。売上高は10,300億円(前期比667億円、6.9%増)、営業利益は300億円(同220億円、42.3%減)、営業利益率は2.9%を見込む。経常利益は350億円(同232億円、39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は300億円(同249億円、45.4%減)、EBITDAは865億円(同198億円、18.7%減)、ROEは4.3%を見込む。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 10,300億円 | 9,632億円 |
| 営業利益 | 300億円 | 520億円 |
| 営業利益率 | 2.9% | 5.4% |
| 経常利益 | 350億円 | 582億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 300億円 | 549億円 |
| EBITDA | 865億円 | 1,063億円 |
| ROE | 4.3% | 8.1% |

セグメント別 通期業績予想
包装容器事業は中東情勢の影響を受け増収減益を見込む。エンジニアリング・充填・物流事業は北米エンジニアリング事業の販売増により増収増益を見込む一方、タイで製缶事業を営むBangkok Can Manufacturing Co., Ltd.が連結子会社から除外される影響などにより、海外の営業利益は前期並みを見込む。売上高は包装容器事業6,250億円、エンジニアリング・充填・物流事業2,070億円、鋼板関連事業980億円、機能材料関連事業645億円を見込み、営業利益はそれぞれ85億円、55億円、65億円、70億円を見込む。

株主還元
1株当たり配当金は2026年3月期に年間132円(中間57円、期末75円)となり、2027年3月期は年間186円(中間93円、期末93円)を予想している。配当は連結配当性向50%以上を目安とし、1株当たり46円を下限に段階的な引き上げを行う方針。自己株式取得は2024年3月期から2025年3月期に542億円、2026年3月期に257億円を実施し、2024年3月期から2026年3月期の累計取得額は800億円となった。2027年3月期から2028年3月期に残り200億円の取得を進める予定で、2024年3月期から2028年3月期の累計取得予定額は1,000億円としている。
| 1株当たり配当金 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|---|
| 中間 | 45円 | 45円 | 57円 | 93円 |
| 期末 | 45円 | 46円 | 75円 | 93円 |
| 年間合計 | 90円 | 91円 | 132円 | 186円 |

資本収益性向上に向けた取り組み2027の進捗
2023年5月に公表した「資本収益性向上に向けた取り組み2027」の進捗として、2026年3月期の営業利益は目標の500億円を上回る520億円となった。自己資本は累計800億円の自己株式取得を実施したものの、円安や株価上昇などの外部環境要因により6,977億円となった。これらの結果、2026年3月期のROEは8.1%(特別利益の影響を除いたROEは5.9%)となり、2026年3月期の目標である5%を上回った。政策保有株式については2022年3月期から2026年3月期までの累計で514億円を売却済みで、2028年3月期末までに総額約600億円を売却する方針のもと、2027年3月期から2028年3月期に残額85億円の売却を進める。2028年3月期には株主資本コストを上回るROE8%以上の達成を目指す。
※本記事は東洋製罐グループホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。