※本記事はグリッドが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社グリッドは2026年8月14日、2026年6月期の決算説明資料を公表した。売上高は前期比+51.2%の3,119百万円となり、AI事業の伸長と蓄電所開発の本格化を背景とするインフラアセット事業の立ち上がりにより増収を達成した。営業利益は459百万円(前期比+7.3%)、経常利益は466百万円(同+8.9%)、当期純利益は345百万円(同+15.7%)で、いずれも期初計画を上回って着地した。翌2027年6月期は売上高4,500百万円(同+44.3%)、営業利益600百万円(同+30.6%)を見込む。
業績(2026年6月期 実績)
売上高は、AI事業における電力ドメインの堅調な成長、鉄道計画を中心とする都市・交通ドメインの拡大および蓄電所開発の本格化により、前期比51.2%増となった。本社移転関連費用を含む営業費用が増加したものの、すべての段階利益が前期比で増加した。
| 項目 | 2025年6月期実績 | 2026年6月期実績 | 前期比 | 2026年6月期期初計画 | 計画比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,063百万円 | 3,119百万円 | +51.2% | 3,100百万円 | +0.6% |
| 営業利益 | 428百万円(20.8%) | 459百万円(14.7%) | +7.3% | 450百万円(14.5%) | +2.1% |
| 経常利益 | 428百万円(20.8%) | 466百万円(15.0%) | +8.9% | 440百万円(14.2%) | +6.0% |
| 当期純利益 | 298百万円(14.5%) | 345百万円(11.1%) | +15.7% | 280百万円(9.0%) | +23.2% |
セグメント別の状況
2026年6月期より、AI事業とインフラアセット事業の2セグメント体制に移行した。蓄電所開発に係る売上比率が20%を超え重要性が高まったことから、従来AI事業内の一部であった蓄電所開発を独立した「インフラアセット事業」として開示している。AI事業の売上高は堅調に推移し、生産性の向上に伴いセグメント利益も増加した。インフラアセット事業は蓄電所開発の始動により、売上高・セグメント利益ともに大幅に増加した。
| 区分 | 指標 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 全社 | 売上高 | 2,063百万円 | 3,119百万円 | +51.2% |
| AI事業 | 売上高 | 2,004百万円 | 2,362百万円 | +17.9% |
| インフラアセット事業 | 売上高 | 59百万円 | 756百万円 | +1,173.9% |
| 全社 | 営業利益 | 428百万円 | 459百万円 | +7.3% |
| AI事業 | セグメント利益 | 754百万円 | 848百万円 | +12.5% |
| インフラアセット事業 | セグメント利益 | 37百万円 | 100百万円 | +164.7% |
| 本社費 | – | △364百万円 | △489百万円 | △34.3% |

AI事業・インフラアセット事業の詳細
AI事業の売上高は、電力ドメインが1,407百万円(前期比+22.0%)、都市・交通ドメインが402百万円(同+86.6%)と伸長した一方、製造・運輸ドメインは477百万円(同△15.4%)となった。セグメント利益率は35.9%(前期比△1.7pt)と高い水準を維持した。
インフラアセット事業は、前期第4四半期からの蓄電所開発の本格始動により、売上高が59百万円から756百万円(前期比12.7倍)、セグメント利益が37百万円から100百万円(同2.6倍)へ急拡大した。開発支援業務を中心とする事業構成から、開発して売却する事業モデルへ移行したことでセグメント利益が大幅に増益した。第4四半期には総額約16億円の複数案件を受注し、期末受注残高は11億円となった。
| 区分 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 電力 | 1,153百万円 | 1,407百万円 | +22.0% |
| 製造・運輸 | 564百万円 | 477百万円 | △15.4% |
| 都市・交通 | 215百万円 | 402百万円 | +86.6% |
| その他 | 70百万円 | 75百万円 | +6.3% |
| AI事業計 | 2,004百万円 | 2,362百万円 | +17.9% |
| AI事業セグメント利益 | 754百万円 | 848百万円 | +12.5% |

通期業績予想(2027年6月期)
2027年6月期は、AI事業、インフラアセット事業ともに高い売上高成長率を見込む。積極採用の継続に伴い人件費は増加するものの、営業利益は600百万円となる見通し。
| 項目 | 2026年6月期実績 | 2027年6月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,119百万円 | 4,500百万円 | +44.3% |
| AI事業 | 2,362百万円 | 3,000百万円 | +27.0% |
| インフラアセット事業 | 756百万円 | 1,500百万円 | +98.3% |
| 営業利益 | 459百万円(14.7%) | 600百万円(13.3%) | +30.6% |
| 経常利益 | 466百万円(15.0%) | 610百万円(13.6%) | +30.8% |
| 当期純利益 | 345百万円(11.1%) | 400百万円(8.9%) | +15.9% |

成長戦略・トピック
会社は、電力・製造運輸・都市交通の各ドメインにおけるTAM(獲得可能な最大市場規模)が、2025年の3.84兆円から2030年に6.25兆円へ62.8%拡大すると見込んでいる。AI事業ではドメインの拡張と既存顧客の深耕、インフラアセット事業では系統用蓄電所の開発規模を高圧から特別高圧へ拡大する方針を示している。ビジネスアップデートとして、関西電力向け揚水・揚発計画最適化システムの本開発開始、九州電力向け石炭受払計画自動生成システムの運用開始、日本郵船・MTIとの配船計画最適化システムの共同開発、JR西日本向け構内自動計画システムの開発などが報告されている。

※本記事はグリッドが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。