※本記事は中部鋼鈑が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
中部鋼鈑は2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は51,103百万円(前期比+56百万円、0.1%増)とほぼ横ばいだったが、メタルスプレッドの縮小が影響し、営業利益は923百万円(前期比△1,781百万円、65.9%減)、経常利益は1,113百万円(前期比△1,486百万円、57.2%減)となった。特別損益に株式売却・保険金・不動産売却による利益を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,275百万円(前期比△456百万円、26.4%減)となった。販売数量は452千トン(前期比+54千トン、13.7%増)で、販売単価の下落(前期比11.7%減)を数量増でカバーし、売上高は前年並みを確保した。年間配当金は104円/株(前期比+3円、3.0%増)とした。

連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期通期の業績は、2月に下方修正した計画に対しおおむね計画通りに着地した。計画比では、売上高51,103百万円(計画比△497百万円、1.0%減)、営業利益923百万円(計画比△77百万円、7.7%減)、経常利益1,113百万円(計画比+13百万円、1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,275百万円(計画比+175百万円、8.0%増)となった。第4四半期は新電気炉の安定稼働により生産量が計画を上回った。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 51,103百万円 | 51,047百万円 | +56百万円 | +0.1% |
| 営業利益 | 923百万円 | 2,704百万円 | -1,781百万円 | -65.9% |
| 経常利益 | 1,113百万円 | 2,599百万円 | -1,486百万円 | -57.2% |
| 特別損益 | 730百万円 | -163百万円 | +893百万円 | ― |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 1,275百万円 | 1,731百万円 | -456百万円 | -26.4% |
| 年間配当金(円/株) | 104円 | 101円 | +3円 | +3.0% |
| 販売数量(千トン) | 452 | 398 | +54 | +13.7% |
| 粗鋼生産量(千トン) | 519 | 314 | +205 | +65.3% |

セグメント別の状況
セグメント別では、鉄鋼関連事業の外部顧客に対する売上高は48,346百万円(前期比+419百万円)となったが、営業利益は547百万円(前期比△1,742百万円)となった。レンタル事業は飲食店業界の回復によりフィルターレンタルが好調に推移し、加えてイベントの看板・広告制作等の大型印刷事業も好調に進み増収増益となった。物流事業とエンジニアリング事業は減収減益となった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 鉄鋼関連事業 | 外部顧客への売上高 | 48,346百万円 | 47,926百万円 |
| 鉄鋼関連事業 | 営業利益 | 547百万円 | 2,290百万円 |
| レンタル事業 | 外部顧客への売上高 | 785百万円 | 746百万円 |
| レンタル事業 | 営業利益 | 122百万円 | 81百万円 |
| 物流事業 | 外部顧客への売上高 | 503百万円 | 568百万円 |
| 物流事業 | 営業利益 | 114百万円 | 171百万円 |
| エンジニアリング事業 | 外部顧客への売上高 | 1,468百万円 | 1,805百万円 |
| エンジニアリング事業 | 営業利益 | 66百万円 | 102百万円 |
| セグメント間取引消去 | 営業利益 | 72百万円 | 58百万円 |
| 連結合計 | 売上高/営業利益 | 51,103百万円/923百万円 | 51,047百万円/2,704百万円 |
通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の連結業績見通しは、売上高69,600百万円(前期比+18,497百万円、36.2%増)、営業利益1,200百万円(前期比+276百万円、30.0%増)、経常利益1,500百万円(前期比+386百万円、34.7%増)としている。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は900百万円(前期比△375百万円、29.4%減)を見込む。スクラップ価格の上昇が販売価格の上昇を上回りスプレッドが縮小するものの、販売数量の増加及び増産によるコスト低減が寄与し増益を見込むとしている。第1四半期はスクラップ価格高騰に伴うスプレッド縮小により経常利益が赤字(△100百万円)となる見通しだが、第2四半期以降は黒字化を見込む。
| 項目 | 2027年3月期(見通し) | 2026年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 69,600百万円 | 51,103百万円 | +18,497百万円 | +36.2% |
| 営業利益 | 1,200百万円 | 923百万円 | +276百万円 | +30.0% |
| 経常利益 | 1,500百万円 | 1,113百万円 | +386百万円 | +34.7% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 900百万円 | 1,275百万円 | -375百万円 | -29.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 33.22円 | 47.08円 | -13.86円 | -29.4% |
| 年間配当金(円/株) | 113円 | 104円 | +9円 | +8.7% |
| 販売数量(千トン) | 604 | 452 | +152 | +33.6% |
| 粗鋼生産量(千トン) | 690 | 519 | +180 | +35.3% |

株主還元
株主還元強化策として、2027年3月期の年間配当を104円/株から113円/株(前期比+9円)に増配するとともに、総額17億円規模の自社株買いを実施すると発表した。あわせて、株主還元強化と資本効率の向上を目的に、連結自己資本を2028年3月期末に向けて700億円まで削減する計画(2026年2月発表、2026年3月期の連結自己資本は749億円)を示している。配当政策は24中期経営計画で「DOE3.5%以上」を掲げており、2026年3月期はDOE3.7%相当の104円/株、2027年3月期はDOE4.2%相当の113円/株を計画している。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(見通し) |
|---|---|---|---|
| 年間配当金(円/株) | 101円 | 104円 | 113円 |
| 配当性向 | 157.9% | 221.0% | 340.1% |
| DOE | 開示なし | 3.7% | 4.2% |

中期経営計画
24中期経営計画の主要KPIとして、鉄鋼製品販売数量80万トン(厚板+スラブ)、設備投資額(戦略投資)120億円(予算取得ベース)、ROE10%、連結経常利益150億円、株主還元DOE3.5%、付加価値労働生産性40百万円(23年度実績は約33百万円)を掲げている。2026年3月期の実績は、鉄鋼製品販売数量45万トン、設備投資額15億円(スクラップヤードクレーン5億円等)、ROE1.7%、連結経常利益11億円、DOE3.7%、付加価値労働生産性14百万円で、いずれも目標を下回った。最終年度となる2027年3月期は、電気炉投資に注力しつつ、鉄鋼製品販売数量60.4万トン、ROE1.2%、連結経常利益15億円、DOE4.2%、付加価値労働生産性15百万円を計画しており、新電気炉の本格稼働により業績の回復を見込んでいる。
※本記事は中部鋼鈑が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。