※本記事は大和工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
大和工業は2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は1,603億円(前期比4.7%減)となり減収となったものの、経常利益は652億円(前期比19.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は623億円(前期比96.0%増)と増益を確保した。営業利益は44億円(前期比60.9%減)にとどまった一方、持分法投資損益が474億円(前期比71.0%増)と大きく伸び、経常利益・純利益を押し上げた。なお、2026年2月に中東事業の株式譲渡を実行し、持分法損失49億円・特別損失9億円を計上する一方、投資有価証券売却益168億円を特別利益に計上した。
連結業績(2026年3月期 実績)
連結業績は、売上高1,603億円(前期比4.7%減)、営業利益44億円(前期比60.9%減)、経常利益652億円(前期比19.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益623億円(前期比96.0%増)となった。営業利益率は2.8%(前期比4.0pp減)、経常利益率は40.7%(前期比8.3pp増)、ROEは11.4%(前期比5.5pp増)。決算ハイライトでは、自己資本比率85.5%(前期末比0.7pp増)、グループ総販売数量376万トン(前年同期比30.9%減、中東事業の撤退影響を含む)、海外比率(経常利益基準)81%(前年同期比11.2pp増)としている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,603億円 | 1,682億円 | -78億円 | -4.7% |
| 営業利益 | 44億円 | 114億円 | -69億円 | -60.9% |
| 経常利益 | 652億円 | 544億円 | +108億円 | +19.9% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 623億円 | 318億円 | +305億円 | +96.0% |
| 営業利益率 | 2.8% | 6.8% | -4.0pp | ― |
| 経常利益率 | 40.7% | 32.3% | +8.3pp | ― |
| ROE | 11.4% | 5.9% | +5.5pp | ― |

セグメント別の状況
連結子会社の鉄鋼事業は、日本・タイ・インドネシアの3拠点いずれも前期比で減収減益となった。日本(ヤマトスチール)は圧延設備更新の事前工事の影響もあり販売数量が伸び悩み、電力費等のコスト上昇や鉄スクラップ価格上昇により鋼材マージンが悪化した。タイ(SYS)は販売数量が国内需要回復及び輸出強化により前期を上回ったものの、輸出価格の下落により鋼材マージンが縮小した。インドネシア(GYS)は形鋼需要の伸び悩みのなかセグメント利益10億円(のれん償却等含む)を確保した。軌道用品事業は増収増益となった。持分法適用会社では、米国(NYS)が鋼材マージンの改善により増益となる一方、韓国(YKS)は鉄筋需要の落ち込みにより減益、ベトナム(PY VINA)は前期比で増加も黒字確保水準にとどまった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 鉄鋼事業(日本) | 売上高 | 529億円 | 595億円 |
| 鉄鋼事業(日本) | 営業利益 | 14億円 | 59億円 |
| 鉄鋼事業(タイ) | 売上高 | 685億円 | 691億円 |
| 鉄鋼事業(タイ) | 営業利益 | 42億円 | 53億円 |
| 鉄鋼事業(インドネシア) | 売上高 | 250億円 | 279億円 |
| 鉄鋼事業(インドネシア) | 営業利益 | 10億円 | 37億円 |
| 軌道用品事業 | 売上高 | 96億円 | 87億円 |
| 軌道用品事業 | 営業利益 | 17億円 | 14億円 |
| 持分法投資損益(米国・ベトナム・韓国等) | 持分法投資損益 | 474億円 | 277億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の連結業績予想は、売上高1,660億円(前期比3.5%増)、営業利益45億円(前期比0.1%増)、経常利益680億円(前期比4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益470億円(前期比24.7%減)としている。セグメント別では、鉄鋼事業(日本)は建築・土木案件の需要停滞が続くなか前期比で減益、鉄鋼事業(タイ)は中国材に対するAD関税措置の発効等により前期比で増益、鉄鋼事業(インドネシア)は前期並みを予想している。持分法適用会社では、米国は形鋼市況の上昇基調により前期比で増益、韓国は前期比で改善を見込むが事業環境は厳しい状況が続くとし、ベトナムは前期並みを予想している。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期 | 前期比増減額 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,660億円 | 1,603億円 | +56億円 | +3.5% |
| 営業利益 | 45億円 | 44億円 | +0億円 | +0.1% |
| 経常利益 | 680億円 | 652億円 | +27億円 | +4.2% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 470億円 | 623億円 | -153億円 | -24.7% |
| 営業利益率 | 2.7% | 2.8% | -0.1pp | ― |
| 経常利益率 | 41.0% | 40.7% | +0.3pp | ― |

株主還元
配当金は中間200円・期末200円の年間400円/株とし、2027年3月期も中間200円・期末200円の年間400円/株(予定)としている。配当方針は、業績に応じた利益配分を基本方針とし、連結配当性向40%を目処に毎期の配当額を決定するとともに、継続的かつ安定的な配当の維持に努めるとし、1株当たり最低配当額を当面の間、年間300円と設定している。自己株式取得は、2024年10月決議分で300万株・251億円(2024年11月~2025年10月)、2025年10月決議分で100万株・112億円(2025年11月~2026年3月)を実施した。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予定) |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 開示なし | 200円 | 200円 |
| 期末配当 | 開示なし | 200円 | 200円 |
| 年間配当合計 | 400円 | 400円 | 400円(予定) |
| 配当性向 | 79.6% | 39.0% | 50.9% |

中期経営計画/トピック
「2030年ありたい姿」として、形鋼グローバルNo1としての地位(量×収益力)を確固たるものとし、新たな事業領域でも挑戦を続ける企業を掲げている。ロードマップでは、コア(形鋼)事業の強靭化に850億円、新拠点獲得に500億円、合計1,150億円を2026年3月期までに投じるとし、2027年3月期~2030年3月期には成長投資として800万トン体制に向け総投資額2,500億円~3,000億円を計画し、財務戦略としてROE10%以上の維持と成長投資の機動的なバックアップを掲げている。中東地域からは撤退したが、インド・新興国等に生産拠点を拡大し、事業ポートフォリオを再構築するとしている。
※本記事は大和工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。