※本記事はテクセンドフォトマスクが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
テクセンドフォトマスクの2026年3月期通期(2025年4月~2026年3月)連結業績は、売上収益129,576百万円(前年比9.8%増、USドルベースで10.9%増)、営業利益27,530百万円(同2.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益24,947百万円(同150.9%増)となった。半導体市場はAI・データセンター関連製品の需要が強く、外販フォトマスク市場では先端ノードの外販化傾向が継続し増収となった一方、材料費や減価償却費の増加、上場に伴う一過性費用の増加により営業利益は減益となった。当期利益は金融収益の増加(通貨スワップの評価益増)により大幅増となった。2027年3月期は売上収益140,100百万円(前年比8.1%増)、営業利益29,800百万円(同8.2%増)を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期通期の売上収益は129,576百万円(前年比9.8%増、USドルベースで10.9%増)。半導体市場はAI・データセンター関連製品の需要が強く微細化も進展しており、外販フォトマスク市場は先端ノード外販化の傾向が継続、ファウンドリ向けは前年同期と比較して先端品・基幹品ともに堅調に推移した。営業利益は27,530百万円(同2.4%減)、営業利益率21.2%(同2.7ポイント減)で、材料費の上昇、先行投資に伴う減価償却費増加、上場に伴う一過性費用の増加が減益要因となった。EBITDAマージンは35.9%(同1.3ポイント減)、調整後EBITDAマージン(参考値)は36.6%(同0.9ポイント減)。親会社の所有者に帰属する当期利益は24,947百万円(同150.9%増)で、金融収益の増加(通貨スワップの評価益増)が押し上げ要因となった。
2026年3月期の実績は、当初予想に対して売上収益103.4%、営業利益108.0%、税引前利益129.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益132.2%、直近予想に対してそれぞれ100.3%、103.5%、108.2%、107.1%といずれも上回った。会社は、各地域の市場成長や先端比率の拡大により売上収益・営業利益が予想を上回り、金融収益の増加により税引前利益・当期利益が予想を上回ったとしている。
| 項目 | 2026年3月期通期 | 2025年3月期通期 | 前年対比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 129,576 | 117,974 | 9.8% |
| 売上総利益率 | 33.4% | 34.9% | ▲1.5pt |
| 営業利益(百万円) | 27,530 | 28,199 | ▲2.4% |
| 営業利益率 | 21.2% | 23.9% | ▲2.7pt |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) | 24,947 | 9,945 | 150.9% |
| EBITDAマージン | 35.9% | 37.3% | ▲1.3pt |
| 調整後EBITDAマージン | 36.6% | 37.5% | ▲0.9pt |
財務面では、2026年3月末の総資産は230,725百万円で、前連結会計年度末に比べ62,973百万円増加した(現金及び現金同等物、有形固定資産、その他の金融資産の増加が主因)。負債は4,848百万円増加(契約負債が減少したものの、借入金、その他の金融負債が増加)。資本は上場に伴う増資19,992百万円を含め58,125百万円増加し、自己資本比率は2025年3月末の69.4%から2026年3月末は75.6%に上昇した。キャッシュ・フローは、税引前利益33,432百万円、減価償却費18,486百万円等により営業活動によるキャッシュ・フローが36,061百万円のプラス、有形固定資産の取得33,207百万円等により投資活動によるキャッシュ・フローは▲35,150百万円、株式発行による収入19,992百万円、リース負債の返済2,413百万円等により財務活動によるキャッシュ・フローは19,862百万円のプラスとなった。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 36,061 | 26,227 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | ▲35,150 | ▲32,885 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 19,862 | ▲28,536 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 911 | ▲6,658 |

セグメント別(事業別)の状況
当社はフォトマスク専業として単一の事業を展開しており、資料では伝統的な事業セグメントの区分は示されていないが、アプリケーション別・プロセスノード別・地域別の売上構成が開示されている。アプリケーション別の売上構成比(フォトマスク製品の売上のみで集計)は、2026年3月期通期でロジック他88%、メモリ12%(2025年3月期通期はロジック他84%、メモリ16%)。メモリ分野は最終需要の動向の影響を受けやすく四半期ごとの構成比は変動しており、2026年3月期第3四半期にはメモリ構成比が低下したが、第4四半期には需要の増加に伴い上昇した。プロセスノード別では、先端ロジックを中心とした需要拡大を背景に先端ノード向けの売上構成比が上昇傾向にある。地域別(仕向け地、ドルベース)では、中国向けは直近でメモリ需要の高まりから構成比が上昇した一方、その他地域においても堅調に推移し、全体では特定地域に偏らない売上構成を維持しているとしている。
| 区分 | 指標 | 2026年3月期通期 | 2025年3月期通期 |
|---|---|---|---|
| ロジック他 | 売上構成比(アプリケーション別) | 88% | 84% |
| メモリ | 売上構成比(アプリケーション別) | 12% | 16% |

通期業績予想
2027年3月期の連結業績予想は、売上収益140,100百万円(前年比8.1%増、USドルベース売上収益成長率12.6%)、営業利益29,800百万円(同8.2%増)、営業利益率21.3%(同0.2ポイント増)。税引前利益は31,200百万円(前年対比93.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は23,700百万円(同95.0%)、EBITDAマージンは34.2%(同1.7ポイント減)を見込む。想定為替レートはUSD/JPY145.00円(前期比6.09円の円高)。増益要因として外販フォトマスク市場の拡大、先端比率上昇によるマージン拡大、適切な費用管理による販管費率の低減、先端品生産キャパシティ拡大、設計点数の増加に伴う必要マスク数の増加を挙げる一方、金融収益(通貨スワップ評価益)の減少やERP更新による経費の増加が減益要因、レガシー設備延命及び更新投資の抑制や自動化・AI活用による人財配置の効率化をコスト管理の取り組みとして挙げている。1株当たりの配当は70.00円(前期比+14.00円)を予定する。
| 項目 | 2027年3月期通期予想 | 前年対比 |
|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 140,100 | 108.1% |
| USDベース売上収益成長率 | 12.6% | +1.7pt |
| 営業利益(百万円) | 29,800 | 108.2% |
| 営業利益率 | 21.3% | +0.2pt |
| 税引前利益(百万円) | 31,200 | 93.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) | 23,700 | 95.0% |
| EBITDAマージン | 34.2% | ▲1.7pt |
| 1株当たりの配当(円) | 70.00 | +14.00円 |
| 想定為替レート(USD/JPY) | 145.00円 | ▲6.09円 |

株主還元
株主還元は配当性向約30%を基本方針とし、キャッシュアロケーションは営業キャッシュ・フローと外部からの負債性調達(借入等)をキャッシュインとし、株主還元(配当性向約30%)と設備投資他をキャッシュアウトに充当する。2027年3月期の1株当たりの配当予想は70.00円(前期比+14.00円)。

中期経営計画/トピック
2026年3月、韓国 利川市と投資業務支援協約(MOU)を締結。利川市の行政支援のもと第3工場を新設し、韓国における先端フォトマスクの供給体制を強化する。スケジュールは2026年3月17日のMOU締結、2027年の第3工場竣工予定、2028~2029年の先端フォトマスク量産開始予定。また、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)主催の「DEALWATCH AWARDS 2025」において、株式部門の「Equity Issuer of the Year」を受賞した。
今後の主な設備投資として、シンガポール新工場(2027年前半に生産開始予定)、米国ラウンドロック工場の先端拠点(2027年後半に生産開始予定)、韓国利川工場の先端拠点(2028年後半に生産開始予定)、EUV関連(2027年に量産対応開始予定)を挙げる。設備投資水準は中期的には外販マスク需要の急拡大に伴い複数の投資プロジェクトが並走するため高止まりし、長期的には一定程度に抑制を図るとしている。
会社概要として、外販フォトマスク市場において売上高ベースで9年連続トップシェアを有し(CY2016~CY2024、SEMI「2024 PHOTOMASK CHARACTERIZATION STUDY」)、2024年の外販フォトマスク市場シェアは38.9%(2020年以降7.5ポイント拡大)。50年以上の歴史を持ち、ロジック比率は85%(2026年3月期第4四半期)。全世界で1,944人の従業員を擁する(2026年3月末時点、製造拠点9拠点)。
※本記事はテクセンドフォトマスクが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。