※本記事は東ソーが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東ソーの2026年3月期(25年度)連結業績は、売上高10,199億円(前期比435億円減)、営業利益955億円(前期比34億円減)、経常利益1,068億円(前期比37億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益416億円(前期比164億円減)となった。原燃料価格や海外市況の下落を背景に販売価格が下落した一方、水処理エンジニアリング事業を中心とするエンジニアリング事業の売上拡大などが寄与した。最終利益はトーソー・SMD, Inc.の固定資産に係る減損損失計上により大幅な減益となった。翌2027年3月期(26年度)の業績予想は、中東情勢の悪化に伴う不確実要素を理由に「未定」としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、ナフサ価格や主要製品の海外市況の下落に伴い販売価格が下落したことなどにより減収となった。営業利益は、交易条件の改善(原燃料価格下落が販売価格下落を上回った)があったものの、在庫受払差の悪化や固定費の増加により減益となった。経常利益は、為替差益計上による営業外損益の改善により増益となった。当期純利益は、トーソー・SMD, Inc.の固定資産に係る減損損失(2026年3月期196億円、2025年3月期16億円)を特別損失に計上したことなどにより、大幅な減益となった。以下、単位は億円。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,634 | 10,199 | △435 |
| 営業利益 | 989 | 955 | △34 |
| 経常利益 | 1,030 | 1,068 | 37 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 580 | 416 | △164 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 182.13 | 132.40 | 開示なし |
財務面では、自己資本比率は59.0%となり、前期比3.3ポイント低下した。有利子負債(リース債務含む)は2,351億円(前期比493億円増)に増加した。設備投資額は727億円(前期比85億円減)、減価償却費は462億円(前期比5億円増)、研究開発費は230億円(前期比8億円増)だった。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 為替レート(円/USD、期中平均) | 152.6 | 150.7 | △1.9 |
| 為替レート(円/EUR、期中平均) | 163.9 | 174.6 | 10.8 |
| 国産ナフサ(円/KL) | 75,650 | 65,225 | △10,425 |
| ベンゼン(USD/T) | 953 | 737 | △216 |
| PVC(USD/T) | 745 | 637 | △108 |
| VCM(USD/T) | 595 | 493 | △102 |
| 液体苛性ソーダ(USD/T) | 479 | 430 | △49 |
| MDI(モノメリック)(USD/T) | 1,930 | 1,754 | △176 |
| MDI(ポリメリック)(USD/T) | 1,893 | 1,637 | △256 |
セグメント別の状況
セグメント別売上高は、石油化学が1,697億円(前期比350億円減)、クロル・アルカリが3,460億円(前期比275億円減)、機能商品が2,729億円(前期比24億円増)、エンジニアリングが1,864億円(前期比171億円増)、その他が449億円(前期比5億円減)。営業利益は、石油化学97億円(前期比46億円減)、クロル・アルカリ19億円(前期比76億円減)、機能商品399億円(前期比13億円増)、エンジニアリング404億円(前期比67億円増)、その他36億円(前期比7億円増)となった。
石油化学事業は、クロロプレンゴムやキュメン等の出荷減少、在庫受払差の悪化、固定費の増加により減益。クロル・アルカリ事業は、南陽事業所の定期修繕規模の違いによる生産量の減少に伴う苛性ソーダ・塩化ビニルモノマーの出荷減少、在庫受払差の悪化、固定費の増加により減益となった。機能商品事業は、在庫受払差の悪化や固定費の増加があったものの、ハイシリカゼオライトやジルコニアの出荷増加、臭素市況の上昇や原燃料価格下落による交易条件の改善により増益。エンジニアリング事業は、日本や台湾、米国における半導体関連プラント案件の進捗や、設備保有型サービス・各種メンテナンスなどソリューション案件の好調により水処理エンジニアリング事業の売上高が増加し、増益となった。
| セグメント | 売上高2025年3月期 | 売上高2026年3月期 | 営業利益2025年3月期 | 営業利益2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 石油化学 | 2,048 | 1,697 | 143 | 97 |
| クロル・アルカリ | 3,734 | 3,460 | 95 | 19 |
| 機能商品 | 2,705 | 2,729 | 386 | 399 |
| エンジニアリング | 1,693 | 1,864 | 336 | 404 |
| その他 | 454 | 449 | 29 | 36 |
| 合計 | 10,634 | 10,199 | 989 | 955 |

財務状況
資産合計は14,090億円(前期比817億円増)となった。現金及び預金の増加等により増加した。負債合計は4,898億円(前期比649億円増)となり、短期・長期借入金の増加等により増加した。純資産は9,191億円(前期比167億円増)となった。自己株式を取得したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や非支配株主持分の増加等により増加した。

2027年3月期業績予想
東ソーは2027年3月期(26年度)の業績予想について、中東情勢の悪化に伴い、今後の生産計画、原燃料コスト、需要面の変化など現時点では不確定要素が多く、合理的な業績予想の算出が困難であるとして「未定」としている。合理的に予想可能となった時点で速やかに公表するとしている。
株主還元
配当は1株当たり中間50.00円・期末50.00円の年間100.00円(2025年3月期・2026年3月期とも同額)。2026年3月期の1株当たり当期純利益は132.40円、配当性向は75.5%(2025年3月期は182.13円、54.9%)。株主還元方針(2025~2027年度)として、総還元性向50%を基本とし、年間1株100円(下限)配当を実施したうえで配当性向が50%未満の場合は自己株式取得により総還元性向を50%とする方針を掲げている。加えて、3か年で500億円の自己株式取得を追加的株主還元として計画しており、2026年3月期(25年度)に250億円を取得済みで、残り250億円については取得時期を検討中としている。2027年3月期(26年度)の配当予想は年間1株100円としている。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金(中間) | 50.00 | 50.00 | 50.00 |
| 1株当たり配当金(期末) | 50.00 | 50.00 | 50.00 |
| 1株当たり配当金(合計) | 100.00 | 100.00 | 100.00 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 182.13 | 132.40 | 開示なし |
| 配当性向(%) | 54.9 | 75.5 | 開示なし |

トピックス
資料では、2025年12月にスパッタリングターゲット製造設備の生産能力を増強したほか、2026年5月にバイオマス発電所を新設、2026年春予定で分離精製剤の生産能力を増強、2026年夏予定でHDI誘導品の生産能力を増強、2027年春予定でベトナムに粗MDIスプリッターを新設、2027年春予定で分離精製剤の生産能力を増強、2030年春予定でクロロプレンゴムの生産能力を増強するとしている。また、2026年度よりセグメント区分を変更する予定としている。

※本記事は東ソーが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。