※本記事はラサ工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ラサ工業は2026年3月期、連結売上高47,727百万円(前期比5.1%増)、営業利益6,012百万円(同26.9%増)となった。半導体関連向け製品が海外および化合物半導体向けを軸に引き続き好調に推移したことなどにより、営業利益は2期連続で過去最高益を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益は4,359百万円(同39.2%増)、1株配当金は前期比60円増配の180円とした。2027年3月期は売上高54,000百万円、営業利益6,200百万円を見込む。
会社概要・事業概要
ラサ工業は、リン酸・リン酸塩・凝集剤などを扱う化成品事業(半導体向け高純度リン酸ではグローバルトップシェア)、化合物半導体向け高純度無機素材や放射性ヨウ素吸着剤を扱う電子材料事業、破砕機・選別機などの建設機械と上下水道向け掘進機などの土木機械を扱う機械事業の3事業を展開する。日本(大阪工場)と台湾連結子会社で高純度リン酸の製造体制を持ち、2026年3月期の連結売上高47,727百万円のうち、35.2%にあたる16,796百万円を高純度リン酸が占める。従業員数は631名(連結、2026年3月31日現在)。

連結業績(当期 実績)
2026年3月期の売上高は、化成品事業・電子材料事業で増収となった一方、機械事業・その他の事業は減収となり、全体では前期比5.1%増の47,727百万円。営業利益は半導体関連向け製品の好調により前期比26.9%増の6,012百万円となり、通期業績予想(5,800百万円)も上回った。経常利益は6,191百万円(同34.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,359百万円(同39.2%増)で、いずれも会社予想を上回って着地した。ROEは14.6%(前期比+2.7pt)。
| 項目 | 2025/3期 | 2026/3期 | 増減 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 45,421 | 47,727 | 2,305 | 5.1% |
| 営業利益 | 4,736 | 6,012 | 1,276 | 26.9% |
| 経常利益 | 4,602 | 6,191 | 1,589 | 34.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,131 | 4,359 | 1,228 | 39.2% |
| 1株配当金 | 120円 | 180円 | 60円 | 50.0% |
| ROE | 11.9% | 14.6% | 2.7pt | - |
セグメント別の状況
セグメント別売上高は、化成品事業が39,956百万円(前期比4.7%増)、電子材料事業が2,395百万円(同52.1%増)と増収を確保した一方、機械事業は4,197百万円(同6.5%減)、その他の事業は1,176百万円(同0.8%減)となった。セグメント利益は化成品事業5,531百万円(同14.3%増)、機械事業405百万円(同240.3%増)、電子材料事業696百万円(同185.2%増)、その他の事業746百万円(同2.3%減)で、営業利益合計は6,012百万円(同26.9%増)。化成品事業は半導体向け高純度リン酸の海外向け販売や上水道向け凝集剤の伸長が牽引し、機械事業は前期にあった棚卸資産評価損の解消と土木機械の増収が寄与、電子材料事業は化合物半導体向け高純度無機素材の増収が寄与した。
| セグメント | 2025/3期 | 2026/3期 | 増減 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 化成品 | 38,168 | 39,956 | 1,788 | 4.7% |
| 機械 | 4,491 | 4,197 | △294 | △6.5% |
| 電子材料 | 1,574 | 2,395 | 820 | 52.1% |
| その他 | 1,186 | 1,176 | △9 | △0.8% |
| 合計 | 45,421 | 47,727 | 2,305 | 5.1% |

通期業績予想
2027年3月期は、化成品事業で半導体向け高純度リン酸の海外販売が引き続き堅調に推移し国内も回復傾向にあることから増収増益、機械事業は建設機械の本体・プラント販売の回復により増収増益を見込む。電子材料事業は化合物半導体市況の堅調持続を背景に、前期のガリウムのスポット販売剥落を若干の増収でカバーし、利益は前期並みを見込む。連結では売上高54,000百万円(前期比13.1%増)、営業利益6,200百万円(同3.1%増)を計画する一方、下期に固定資産処分損(1億円強)の特別損失計上を見込むため、親会社株主に帰属する当期純利益は4,300百万円(同1.4%減)とやや減益を見込む。想定為替レートは1ドル155円。
| 項目 | 2026/3期実績 | 2027/3期予想 | 増減 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 47,727 | 54,000 | 6,272 | 13.1% |
| 営業利益 | 6,012 | 6,200 | 187 | 3.1% |
| 経常利益 | 6,191 | 6,300 | 108 | 1.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,359 | 4,300 | △59 | △1.4% |
| 1株配当金(分割後換算) | 36円 | 36円 | 0円 | - |

株主還元
1株配当金は前期の120円から60円増配の180円とし、期初計画の170円を10円上回った。会社は「配当性向30%以上、ROE10%以上」を目標としており、2026年3月期のROEは14.6%と目標を上回った。2026年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施しており、分割後換算では2026年3月期の配当が36円、2027年3月期の配当予想も同水準の36円(増減0円)としている。配当性向は2026年3月期が32.2%、2027年3月期予想は32.7%を見込む。
| 項目 | 2026/3期(実績) | 2027/3期(予想) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 1株配当金(分割後換算) | 36円 | 36円 | 0円 |
| 1株配当金(分割前実績) | 180円 | - | - |
| 配当性向 | 32.2% | 32.7% | +0.5pt |

トピックス
台湾連結子会社(理盛精密科技股份有限公司)では、半導体向け高純度リン酸の生産能力を4割引き上げる増設設備が2026年4月に稼働開始し、2027年3月期第2四半期から売上に寄与する見込み(設備投資額は総額約30億円、年間償却費約4億円)。また電子材料事業では、データセンターの光通信向け受発光素子に用いられるインジウムリン(InP)の需要が増加しており、当社はその原料であるインジウム・赤リン・酸化ホウ素の製造とインジウムのリサイクルに強みを持つとしている。
※本記事はラサ工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。