※本記事は戸田建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
戸田建設は2026年5月20日、2026年3月期の決算説明会資料を公表した。連結売上高は前連結会計年度比10.1%増の6,457億円、営業利益は同43.5%増の382億円、経常利益は同51.2%増の439億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同46.8%増の369億円となり、ROEは10.1%となった。建築事業において手持ちの大型工事が進捗したことと、海外グループ会社事業において販売用不動産の売却額が増加したことが増収の要因で、利益面は当社の建築事業における採算性の向上と海外グループ会社事業における販売用不動産の売却利益の増加などが寄与した。一方、建設受注高(個別)は主に国内建築の民間工事と国内土木の官公庁工事の受注が減少したため、5.4%減の5,665億円となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上総利益は922億円(売上総利益率14.3%)で前期比21.6%増、営業利益は382億円(営業利益率5.9%)で同43.5%増となった。ROEは前期の7.3%から10.1%へ上昇した。金額の単位は億円。
| 項目 | 2026/3期 実績 | 2025/3期 実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 6,457 | 5,866 | 10.1% |
| 売上総利益 | 922(14.3%) | 758(12.9%) | 21.6% |
| 営業利益 | 382(5.9%) | 266(4.5%) | 43.5% |
| 経常利益 | 439 | 290 | 51.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 369 | 251 | 46.8% |
| ROE(%) | 10.1 | 7.3 | ー |
| 建設受注高(個別) | 5,665 | 5,990 | △5.4% |

事業(セグメント)別の状況
建築事業は売上高3,625億円・営業利益269億円(利益率7.4%)と、前期の営業利益165億円(同4.6%)から増加した。土木事業は売上高1,278億円・営業利益46億円(同3.6%)、国内投資開発は売上高334億円・営業利益20億円(同6.2%)、国内グループ会社は売上高678億円・営業利益27億円(同4.1%)、海外グループ会社は売上高676億円・営業利益56億円(同8.3%)、環境・エネルギーは売上高33億円・営業損失12億円となった。単位は億円。
| 事業(セグメント) | 売上高 2026/3期 | 営業利益(利益率) 2026/3期 | 売上高 2025/3期 | 営業利益(利益率) 2025/3期 |
|---|---|---|---|---|
| 建築 | 3,625 | 269(7.4) | 3,582 | 165(4.6) |
| 土木 | 1,278 | 46(3.6) | 1,271 | 80(6.4) |
| 国内投資開発 | 334 | 20(6.2) | 477 | 55(11.7) |
| 国内グループ会社 | 678 | 27(4.1) | 582 | 30(5.2) |
| 海外グループ会社 | 676 | 56(8.3) | 570 | 10(1.8) |
| 環境・エネルギー | 33 | △12(ー) | 9 | △11(ー) |
| 消去 | △170 | △25 | △626 | △65 |
| 合計 | 6,457 | 382(5.9) | 5,866 | 266(4.5) |

受注・繰越工事の状況
建設受注高(個別)は5,665億円で、内訳は建築4,128億円、土木1,492億円、海外45億円。完成工事高(個別)は4,823億円(建築3,588億円、土木1,214億円、海外20億円)、完成工事利益率は合計13.4%(建築13.7%、土木12.9%)となった。次期繰越高は前事業年度比で増加し10,733億円(建築7,163億円、土木3,534億円、海外35億円)。国内建築事業は官公庁工事と民間工事が共に増加したため前事業年度比539億円の増加、国内土木事業も官公庁工事と民間工事が共に増加したため同277億円の増加となった。
財務・キャッシュ・フロー
総資産は9,983億円(前期末9,235億円)、純資産は4,031億円(同3,531億円)となり、自己資本比率は37.1%から39.1%へ上昇、流動比率は138.8%から136.3%となった。有利子負債は短期借入金127億円、CP50億円、社債101億円の減少と長期借入金20億円の増加により259億円減少して2,295億円となり、D/Eレシオは0.75倍から0.59倍へ低下した。キャッシュ・フローは営業CFが624億円、投資CFが△205億円、財務CFが△438億円で、現金及び現金同等物の増減額は△15億円。工事損失引当金は前期比11.4億円減少し29.8億円となった。
2027年3月期 業績予測
2027年3月期は連結売上高7,530億円(前期比16.6%増、+1,072億円)、営業利益390億円(同2.1%増、+7億円)を見込む。経常利益は400億円(同9.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損益は350億円(同5.4%減)を予測。建設受注高(個別)は6,800億円(同20.0%増、+1,134億円)を計画する。個別ベースでは売上高6,070億円、営業利益307億円(利益率5.1%)、経常利益335億円、当期純利益335億円を見込み、建設事業利益率は12.0%(国内建築11.3%、国内土木14.6%、海外8.2%)としている。
| 項目 | 2027/3期 予測 | 2026/3期 実績 | 前期との差 |
|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 7,530 | 6,457 | +16.6%(+1,072) |
| 営業利益 | 390 | 382 | +2.1%(+7) |
| 経常利益 | 400 | 439 | △9.1%(△39) |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | 350 | 369 | △5.4%(△19) |
| 建設受注高(個別) | 6,800 | 5,665 | +20.0%(+1,134) |

株主還元
25年度(2026年3月期)実績はDOE(純資産配当率)4.7%、総還元性向66.2%。26年度(2027年3月期)はDOE3.5%以上、総還元性向70.0%程度を予測しており、中期経営計画2027の株主還元目標もDOE3.5%以上、総還元性向70.0%程度としている。キャッシュ・フロー上は配当金の支払107億円、自己株式取得70億円を計上した。キャッシュアロケーションでは3ヵ年で株主還元に500億円以上を配分する計画。
| 項目 | 24年度 実績 | 25年度 実績 | 26年度 予測 | 2027年度 中計目標 |
|---|---|---|---|---|
| DOE(%) | 2.6 | 4.7 | 3.5%以上 | 3.5%以上 |
| 総還元性向(%) | 55.9 | 66.2 | 70.0%程度 | 70.0%程度 |
中期経営計画2027の進捗
中期経営計画2027(2025-2027年度)は2028年3月期に連結売上高8,000億円程度、営業利益435億円以上(営業利益率5.4%以上)、親会社株主に帰属する当期純利益350億円以上、ROE10.0%以上、D/Eレシオ0.8倍以下を掲げる。25年度実績は連結売上高6,457億円、営業利益382億円(同5.9%)、当期純利益369億円、ROE10.1%、労働生産性(個別)1,684万円で、26年度は連結売上高7,530億円、営業利益390億円(同5.2%)、労働生産性1,720万円を予測する。事業別の2027年度中計目標は建築4,300億円・営業利益220億円、土木1,500億円・同90億円、国内投資開発500億円・同60億円、国内グループ会社800億円・同35億円、海外グループ会社900億円・同35億円、環境・エネルギー70億円・同5億円。投資計画はM&Aを除く3ヵ年累計2,000億円に対し25年度実績584億円、26年度計画773億円としている。

トピック(環境・エネルギー/海外・資産効率)
環境・エネルギー事業では五島市沖洋上風力発電事業が2026年1月5日に運転開始し、五島市における「電力の地産地消」モデルを実現、地球環境大賞を受賞した(ゼネコン初)。洋上風力のCI(建造・据付)受注に向けてはSEP船を改造工事中で、基地港を函館港とし2027年度供用開始予定。25年度の環境・エネルギー投資は68億円(NET66億円)で、26年度は63億円を計画する。海外はインドネシア・TATA社を中心とした建設・不動産事業の業容拡大やニュージーランドのホテル開発事業を進めるほか、不動産開発では25年度に投資359億円・売却312億円(NET投資額48億円)の循環型投資モデルを推進。戸田建設プライベートリート投資法人の運用資産残高は25年度235億円、26年度330億円を計画する。政策保有株式は25年度に133億円(時価ベース、13銘柄)を売却し、27/3期・28/3期各200億円の売却計画と合わせ3ヵ年累計533億円、500億円以上の売却を見込む。
※本記事は戸田建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。